出雲大社庁の舎
いずもたいしゃちょうのや / Administrative Building of Izumo Shrine
出雲大社の境内に建つ「庁の舎(ちょうのや)」と呼ばれる建物で、「庁の舎」とはその名の通り庁舎のことで、言い換えるなら社務所、事務所、オフィスのような所です。木造のイメージが強い寺社建築の中で、コンクリートの建物はどうかと思っていたが、竣工後50年以上経ち、良い感じでコンクリートも色褪せて違和感がないです。時の流れで、神域に合う重みや馴染みが出てきているのでしょうか。
柱上部にかかっている2本の大梁はプレストレス製で、長さ約50mもある、この建物を印象づけるものです。外壁はプレキャスト製で、側面の細かいパーツの組み合わせや、斜めの突起で表現している壁模様も、プレキャストならではの細かさです。ちなみに側面の壁が梁にもたれ掛かっているような外観は「稲架(はさ)」と呼ばれる稲穂を干す形をモチーフにしているようです。プレストレス、プレキャストと来て、さらに裏に回ると山のように膨らんだ部分がありますが、こちらはHPシェルです。
前庁の舎が焼失によって失われたことから、不燃化が求められ、コンクリートが選択されたようです。さらに神域では現場打ちのコンクリートが使えず、そのためプレキャストが選択されたと、色々な条件の中で当時の先端技術が使われている建物で、その背景をふまえた上で見ていて面白かったです。
出雲大社 ホームぺージ (別ウィンドウが開きます)
設計 | : | 菊竹清訓/菊竹清訓建築設計事務所 ※きくたけきよのり |
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構造設計 | : | 早稲田大学松井源吾構造研究室 |
施工 | : | 大成建設 |
竣工 | : | 1963年 |
構造 | : | 鉄筋コンクリート造 |
所在地 | : | 島根県出雲市大社町杵築東195 周辺の地図 【Googleマップ】(別ウィンドウが開きます) |
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